「日本学術会議法案」の廃案を求める代表委員声明

  「日本学術会議法案」の廃案を求める代表委員声明

 今国会に提出されている「日本学術会議法案」は現在の「国の機関」としての日本学術会議を廃止し、特殊法人として再編するもので、現行法にはない国家の関与、監督の強化によって日本学術会議の独立性が損なわれる内容になっています。
 この日本学術会議は、アジア太平洋戦争での敗戦とそれに対する科学者の態度を省みて発足した、高度の自主性が与えられた政策提言機関です。特殊法人化し国家からの独立性が損なわれて、「我が国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与する」とした、1949年の設立趣旨に沿った使命が果たせるのでしょうか。
 文化財保存全国協議会は、学術的裏付けによって文化財の保存と活用を追究する市民団体ですが、その活動は通底において日本学術会議の設立趣旨と共鳴するものです。それ故、日本学術会議の設立に至る歴史的経緯を無視して、事実上の解体を迫るこの法案を直ちに受け入れることはできません。
 また、日本学術会議第194回総会で採択された決議、声明では、「日本学術会議法案」がナショナル・アカデミーとしての五要件(①学術的に国を代表する機関としての地位、②そのための公的資格の付与、③国家財政支出による安定した財政基盤、④活動面での政府からの独立、⑤会員選考における自主性・独立性)を満たしていないと指摘し、会長が五つの懸念を表明するなど、不十分な法案と言わざるを得ません。
 私たち文化財保存全国協議会は、国家による学問世界への介入を許す「日本学術会議法案」の採択に強く反対し、廃案を求めます。

                                  2025年4月27日
                               文化財保存全国協議会
                                代表委員 澤田秀実
                                代表委員 橋本博文

2025年04月28日