第54回市川大会「市街化の中での遺跡の保存と継承」を開催しました。

文全協第54回市川大会「市街化の中での遺跡の保存と継承~遺跡の上で暮らすためⅡ~」を開催しました。

まず、6月21日(金)和洋女子大学 南館9階大会議室にて、総会および全国委員会を行いました。2023年度活動報告・決算、2024年度運動方針・予算がそれぞれ提案・承認されました。この他、文全協の組織拡大や若手育成、新たな出版企画などに関する積極的な意見交換がなされ、今後の活動の指針を確認しました。また、長年にわたり代表委員を務めた滋賀県の小笠原好彦さんにかわり、岡山県の澤田秀実さんが代表委員に選出されました。

 

2日目の6月22日(土)は「市川市の原始から近現代までの文化遺産を歩く」と題する遺跡見学会です。快晴の中、市川市内の戦争遺跡、古墳や弥生時代の遺跡、古代の国府や国分寺関連遺跡、学史に残る縄文貝塚遺跡など、バラエティー豊かな遺跡の数々を見学しました。夜の懇親会は市内のお寺・安国院さんで、美味しいお弁当をいただきながら、市川における牧野富太郎の標本採集や戦時中の松脂採取痕の調査成果などについて学習を深め、交流しました。


23日(日)は和洋女子大学 東館16階第1会議室(大会議室)を会場に、大会「市街化の中での遺跡の保存と継承 ~遺跡の上で暮らすためにⅡ~」を開催しました。

午前は趣旨説明と2本の報告です。
・趣旨説明「大会趣旨説明としての市川市の遺跡の現状と課題」
       高柳俊暢氏(市川緑の市民フォーラム)
・報告① 「学史における市川の貝塚と曽谷貝塚活用への期待」
       勅使河原彰氏(文化財保存全国協議会)
・報告② 「加曽利貝塚の国特別史跡指定と活用」
       西野雅人氏(千葉市埋蔵文化財調査センター)
報告後、第25回和島誠一賞授賞式を行いました。⇒和島誠一賞の紹介ページ


午後は、下総国府調査の現状紹介に始まり、記念講演と3本の報告。
・記念講演「下総国府の空間構成と国府の「まつりごと」」
       加藤友康氏(東京大学名誉教授)
・報告③ 「下寺尾遺跡群(古代高座郡衙と弥生環濠集落)の調査保存の歩みと活用」
       大村浩司氏(茅ヶ崎市教育委員会)
・報告④ 「東京都築地市場跡地「浴恩園」の現地再生」
       長屋静子氏(東京の水辺を考える市民の会)
・報告⑤ 「市川市内の戦争遺跡と市民運動」
       中島行雄氏(市川緑の市民フォーラム)

最後に質疑・討論が行われ、活発な意見交換がなされました。ご講演、ご報告いただきましたみなさん、会場の手配から裏方までご尽力いただきました市川大会実行委員会のみなさん、ありがとうございました。そして、3日間のイベントほんとうにおつかれさまでした。
本大会の詳細なレポートは、会紙『文全協ニュース』に掲載予定です。どうぞご期待ください。

2024年06月30日